Fly Fishing 2015/12/07 Add a New Rod to My Quiver 去年のこの時期に、修理中のLOOP EVOTEC696‐4MFのバックアップとしてECHO CARBON690-4を買いましたが、とにかく重たいロッドで使っていると腕が疲れる。 購入してから1年が経ちましたが、日本にホリデーで帰国した時に持って帰って使ったり、またしてもLOOPが折れたので代わりに使って、先月は8lbを釣ったりとバックアップとしての役割は十分果たしてくれています。 それでもやはりもっと頻繁に使いたくなるような6wtが1本欲しくて、どれにしようかとずっと物色していました。 最終的に選んだのはこのロッド、 Mystic Reaper 690-4。 日本にはまだディーラーが無いようなので、知らない人がほとんどかも知れません。 http://www.mysticoutdoors.com/ USA、ミシガン州に拠点を構える、比較的新しいフライロッドメーカーだと思います。 このロッドの存在を知ったのは、おなじみの Yellowstone Angler 5wt Shootout ですね。 最近まで過去のShootoutページもネット上にあったんですが、今はもう最新の2016しかないようです。 Mystic Reaperは2012のShootoutで初めて登場してから、たったのUS$229という低価格のわりには素晴らしくいいロッドということで非常に高評価なのが気になっていた。 本当はUS$120増しで少し高くなりますが、Douglas Outdoorsという、こちらも新しいブランドのDXFというシリーズのロッドがあって、これがすごく良さそうで欲しかったんですが、US$349のDXFをNZに輸入するとたぶん課税されるので止めました。 NZでは、海外からオンラインで買い物をする際の$400ルールがあるんです。 これはネットで海外から買い物をして、税関に払わなくてはならない税額(Duty Tax+GST)がNZ$60以下なら免税、それ以上なら支払わなくてはならないという義務です。 GSTは15%ですが、Duty Taxは品目によって適用されたり、されなかったり、レートも違うようです。 購入した商品価格+送料の総額ををNZDに換算して$400を超える場合、支払わなくてはならない場合が多いようです。 Mystic Reaper US$229+送料はUS$40-50程度。送料50ドルだとすると総額US$279.NZD-USDの現在のレートは0.65程度。279÷0.65=429 う~ん、29ドル微妙に超えてしまうなあ。。 Mysticのウェブサイトを調べると、NZにはディーラーがないものの、オーストラリアのメルボルンに1件ある。早速そのショップのウェブサイトを見に行くと、価格は意外に低めでAU$270。NZへの送料を問い合わせるとAU$15だとのこと。合計AU$285でNZD-AUDのレートは0.9くらい。 285÷0.9=316。安い! これなら余裕でアンダー$400で安心だ。 ということで、早速6wtのReaper690-4を注文して、インターネットバンキングで支払いをした。 しかし、これがこのストーリーの始まりになるとは。。 普通は支払い後に、入金を確認したら、発送完了、トラッキングナンバーを知らせるなどの連絡が来るだろう。 ところがメールが来ないのだ。 仕方がないので、発送が済んだらトラッキングナンバーを知らせてほしいとこっちからメールを送った。 しかし、返信が来ない。。 もしかして詐欺? でも自分の人生経験上の直感からだが、そういうのではない気がするのだ。 このショップは正規ディーラーだしな。 どうしたんだろう? このショップのビジネス用FBページがあるので訪問してみた。 すると店主が 「全くおもしろくない!たった今病院から戻ってきた。」 みたいな内容を、少し前にポストしている。 どうやら心臓の病気を抱えている様子。 なんとなく、ショップの実像が浮かんできた。 このショップはけっこう年配の店主が1人で切り盛りしている小さいショップなんだろう。 ショップの電話番号は+64 414 **** これはオーストラリアの携帯の番号だな。 ちょっとかけてみよう。 でない。。 それからどれくらい待っただろう? 1週間くらいか? もう一度かけてみた。 すると今度はでた!! どうやら再度入院する羽目になって、まだ病院にいるらしい。 もう2-3日で店に戻って、オーダーの処理をするつもりだったようだ。 それなら待つのはかまわないから、すでに入金済みなので銀行口座を確認して送ってくれればいいと伝えて電話を切った。 それからさらに数日経って、まだ発送完了の知らせは来ない。 ひたすら待って、支払いから2週間後くらいだろうか。ようやく店主からメールが届いた。 まったく不測の心臓の問題で入院中だが、あなたのロッドはUSAのMysticからダイレクトに送られます。Mysticとは親密に仕事をしているので。ということだった。 どうやら予想外に入院が長引いて、自身で発送作業を出来ないので、Mysticから直に送ってもらうように手配してくれたようだ。 そういうことか。。 とりあえずこっちもホッとしたけど、ここで新たな問題が浮上。 それは例のNZの$400ルールの問題だ。 Mysticから直に送ってくれるように計らってくれたのはいいけど、そうするとUSAのショップから購入したのと同じように、換算後の総額が400ドル越えで課税されるかも知れない。 オーストラリアのこのショップから買った意味がないではないか。。 まいったなあ。。 向こうも良かれと思ってしてくれたことだし。。 もうラッキーに課税されずに届くことを祈るしかない。 そして、今週中に届くかなぁ~と予想していた週にも結局届かず、今度はMysticのウェブサイトのContact Usから、オーストラリアのショップの店主からのメールで、ロッドはMysticから直接送られるということだったが、もう発送してくれたのか?もし発送済みなら、いつ、誰と(どの運送業者)と送ったのか、またトラッキングナンバーがあるなら知らせて欲しいとリクエストしてみた。 翌々日、Mysticの社長、Dennis Kleinの名前でメールが来た。 あなたのロッドはファクトリーを出発しました。リクエストしていただいたトラッキングナンバーはこちらです。 とUnited States Postal Serviceのトラッキングナンバーが知らされた。 やれやれ、それならオッケーだけど。。 それから数日間、トラッキングでNZ北島、Auckland に到着。次に北島の下のほうのParaparamuというところに到着と追って、その翌日に来るかと思ったらまだ来ない。 なんだこの遅さは?税関で引っかかって課税された気がする。そうに違いない。。 もう完全に最悪のシナリオを覚悟しました。 週明けの火曜日に職場に出勤すると、明らかにフライロッドと思われる細長いダンボールの箱がバックルームに置かれていた。 おおおっ!ついにキターーー!! しかも届いてるってことは課税されなかったんだー! よかった~~。 送り主は直々に社長のDennis Klein。 送料はほぼ予想通りの$43.02だが、商品のValueが$115.00となっている。 価格は$229のはずなので、ちょうど半分に書いてある。 これが卸価格なのか、あるいは税金対策を察して、適当に半分の金額で申告してくれたのか、それは定かではないけど、とっても助かりました。 さすが社長、気の利く計らいで関心しました。 Dennisさん宛てに、ロッド到着の報告とともに、$115で書いてくれたおかげで課税されずに届いて助かったと感謝のメールを送りました。 とまあこんな長いストーリーで商品注文から約1ヶ月を要して、Mystic Reaper 690-4がようやく自分のロッドラインナップに加わりました。 さっそくこのニューロッドで釣りこんでみた。 Queenstownに人を迎えに行く途中、初めて釣りをする川でサイトで見つけたブラウンをフックアップ。 これが入魂のファーストフィッシュ。50cmくらいのブラウン。 ホームリバーにも持ち込んで実釣テスト。 小さめながら、数本キャッチ。 ビッグフィッシュはサイトフィッシングリバーで。 6lb、63cmをキャッチ。 オリーブ色のブランクカラーが太陽光で透けるといい感じだ。 この魚は、先月8lbを釣ったのと全く同じスポットで、ウィードパッチ+水面をぼやかしてくれる風を利用して食わせる作戦がうまく機能した。 ホームリバーのブラインドでもいいサイズ! 60cmには届かなかったが、5lb、58cmのナイスフィッシュ。 よく太ったいいヘンだ。 今のところ、去年と比べてあまりよくないように感じているホームリバーだが、たまにはこういういいヤツがでる。 それではこのロッドについての品評を少し。 現在、有名ブランドのフラッグシップモデルはUS$700-850くらいですよね。それに比べるとおよそ1/3以下の価格でこの出来栄えは素晴らしいといっていいでしょう。 オリーブのブランクカラーに、ラッピングはブラウンのスレッドとシルバーのトリム。 リールシート回りの金属パーツも高額モデルほどの高級感ではないものの、チープな感じはなく、価格を考えると十分なクオリティのパーツが使われている。 まず軽い! もうECHO CARBONと同じ失敗はしたくなかったので、軽いロッドというのが条件でしたが、実測で88.77g、約3.2ozと5wtのSAGE VXPとほとんど変わらない。 リール、ラインをセットアップして、実際にキャストした時のスイングウェイトも軽いです。 アクションはファーストアクションということで、もう少しティップよりのアクションを見込んでいましたが、そこまで速くない、ミディアムファーストですね。 それでも粘っこさ、モッタリ感は全くなく、カラッとして"crisp"なアクションです。 落ち着いたトラウトロッドらしい雰囲気でありながら、モダンなアクションのロッドといったらいいでしょうか。 気になるのはガイドのサイズがちょっと大きすぎること。バットセクションに2つのSICリングガイドが使われているけど、それぞれ1サイズ下で十分だと思います。 ティップセクションのスネークガイドももう少し小さいほうがいいですね。大きいほうがループトゥループの接続部が通りやすいけど、それでも1つ下のサイズで十分かな。 総じて言えば、ニンフィングで使うことが多いこの6wtに関しては、もう少しだけソフトなティップと強めのバットで、よりティップアクションに仕上げて、ガイドのサイズを変更したら完全に自分の好みとピッタリ合う感じです。 このアクションなら、5wtがかなり良さげなドライフライロッドのような気がする。 なるほど、5wtのShootoutで評価が高かったわけだ。 これで普通に生涯保証も付いてるんだから、素晴らしいですね。 というわけで、ニューロッドMystic Reaper 690-4、かなり気に入ってます。満足、満足。 日本にはディーラーがないけど、ちょっとした英文Eメールのやり取りが出来る人であれば、USAのディーラーからオンラインで買ってしまうのもありだと思います。 折れたらハンドリングチャージのUS$50を自分のクレジットカードにチャージしてもらって、Mysticに送ればいいわけですからね。 Mystic Rodは全部で9シリーズのロッドをプロデュースしているようですが、このReaperシリーズの他に、フラッグシップモデルのMシリーズとスイッチが気になっています。 もう12月も中旬。まもなくクリスマスホリデーですが、まだここ南島Otago地方の天気は不安定で、去年ほどは暑くなっていません。ホームリバーで魚の動きがあまり活発でないように感じるのが気になるところ。 去年のようなビューティフルサマーを期待しているんですがね。。 それではまた。 Tight Lines!! 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