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SWEET GREEN LAND

A blog of Japanese fly fisherman living in Otago, New Zealand

After Catching the Record Brown

更新が遅くなってしまいましたが、前回の続きです。


いや~、それにしても長いファイトだったなぁ~

無事にランディングすることが出来てよかった。


あと1lb大きくなったら、また対決しようぜー

2週間前に8lbを釣ったポイントはここよりもう少し上流だけど、そこはあまり魚が多いスポットではないので、今日ももう引き返してさっきの場所をもう一度見てみよう。


このちょっとしたサラサラの落ち込みの下に1匹いるのは先々週に見つけたが、釣れなかった。

先週もまだいて、サラサラの流れの中ドライ&ニンフを流すと、反応して口を開いたのが見えたがフッキングしなかった。

さっきもかなり遠くから慎重に近づいたのだが、キャストする前に自分の足元をバァーっと走っていってしまった。

なので、結局まだ今日はフライをここへ入れていない。

今度は上流から戻ってきたので、反対側(画像の奥)からアプローチしてみるか?

あれから2時間くらい経過しているから、またもとの位置に戻っているかもしれないし。

サラサラの中にドライ&ニンフを投入する。

流れの中で魚がギラッっと光った。

すかさずフッキングを入れるが空振り。


あれ~、今確かに反応したけどなあ。食い損なったのか?


やっぱりまたサラサラの中に戻って、上から流れてくるエサを待ち伏せているのか?

よし、もう1投だ。

もう一度フライを流れに乗せる。

再び魚が流れの中で、捕食のアクションをするのが見えた。

今度は完全にフックアップした!


食ったんだっ!!


いきなり下流にダッシュされて強引に止めにかかるが、かなりの重量感で止めきれない。

スローダウンさせるのが精一杯で、ジリジリとブッシュの中へと突っ込まれていく。

この場所はブッシュや倒木でかなり込み入っているスポットなので、掛けてもランディングまで持っていくのは難しい。


いくつかのブッシュはクリアーしたが、この水中の倒木の中に入られてしまい、完全に固まって動かなくなった。

しばらく待ってみたり、手は尽くしたけど、もう全く動かない。


デカそうだし、もったいないけどあきらめるか。。

しかたない。。


リーダーを切る覚悟で、ラインを真っ直ぐにして、思いっきり引っ張ったら魚が動いた。


おおっ、まだ付いてたか!?


そして下流に向かって走り始めた。

それでもまだ水面上に突き出ている枝にラインが絡んでいたが、ティップを操作して上手く外すと、完全にラインがフリーになった!



ラッキー!!外れたーー!

ただ、思った以上にでかそうだし、どの程度リーダーが傷ついたのかわからないので、はたして捕れるのかどうか?


ようやく魚が見えた。デカイじゃない、コイツも。。


さっきのシーランとは違って、ジャンプは全くせずに、ひたすら下へ下へと潜るタイプ。

また対岸の倒木の方へ戻ろうとする。


そっちへ行っちゃダメーー


さっきほどではないものの、またまたけっこうなロングファイトに。

 
ようやくランディングに成功。フライはいいところに深くめり込んでいた。
これなら外れませんね。


しかし太いな~、キミは。尾っぽでかいし。。
よく引くわけだね。

 

6.5lb、63cmのブラウン。


さっきのシーランとは対照的に、こっちは典型的はレジデントフィッシュのカラーですね。

太くていい魚だ。傷もなく、ヒレも完璧な個体。
ズッシリとトルクのある走りで、重量感がスゴかった。


良かった~、捕れて^^

倒木に張り付かれたときは、もう絶対ダメかと思ったけど。



9lbと6.5lbの2本を釣った後のスティックカディス。さすがにTMC2457でもちょっと開いてるな。。

この6.5lbも普通に考えたら素晴らしくいい魚なのに、さっきの9lbとの遭遇があまりにもインパクトが強かったので、このナイスフィッシュさえもオマケのように感じてしまう今日の釣り。

このあとは風が出てきてサイトフィッシングが難しくなり、朝一に狙って釣れなかった魚たちもライズせず、


久しぶりに訪れた別の川も少しやってみたが、ノーキャッチで夕方早めに終了。

もう十分です。



今あの9lbを釣ったシーンを改めて振り返ると、あの魚をバイトに持ち込むことが出来たのは、なんといってももう1匹のブラウンが接近してきて交錯したこと。あれがなければあの魚は食わなかったと思います。

あの時の無風、ハイライトですべてが丸見えの難しいコンディション。あの状況ですでに2回フライを見切ったアイツが、3回目で同じニンフをテイクすることは考えにくかったけど、もう1匹が現れたために、躊躇しながらも、食ってしまわなければ奪われるって思ったんでしょうね。
まさにそんな動きでした。

その一部終始がすべて見えていたバイトシーンから、あの巨体にもかかわらず、パワフルなジャンプの連続、そして30分以上にも及んだ限界のファイトはホントにエキサイティングでした。

9月にオーバー14lbの巨大レインボーを釣ったけど、あの時はダブルハンダーだったし、デブで、ジャンプしたり、遠くまで走るようなタイプの魚ではなかった。今日の5wtシングルハンドで9lbシーランとのファイトのほうが遥かにハードでおもしろかった。

今日はブラウンの自己レコードを更新しただけでなく、あの9lbを釣った釣りは自分のフライフィッシングの歴史の中でもベストゲームの1つだったといってもいい、素晴らしい内容でした。
運も味方してくれたのは確かだけど、そこに到るまでの接近方法やアプローチの仕方、魚とのファイトとどれ一つ欠けても捕れませんからね。去年の自分の力量では釣れなかった気がします。

やはりあのクラスの魚はそう簡単には口を使わない。フライにバイトするという最後の一線を越えさせるためには、何かが味方してくれるか、あるいは周囲を取り巻くものの中から、何かを利用する想像力豊かな発想が必要だと感じます。今日のように偶発的にもう1匹の魚が現れたことを、意図的に再現することは不可能ですが、一瞬でも魚の警戒心を薄れさせる何か、風、光の変化、ストラクチャーの存在などそれらはさまざまですが、その中から何かが利用できないか、それに気付くこと。


釣りとは気付き、感じるゲームだと思います。


フライキャスティング、タイイングももちろん重要ですが、魚を捕るために本当に必要なのは、芸術的にキレイなループでキャスティングすることでも、素晴らしく見事にタイイングされたフライをプレゼンテーションすることでもありません。

自然の中で生きる魚を相手に、自分も自然の一部となって、いかに気付けるか、感じとれるか?

最近つくづくそう思うのです。



ようやく9lbまできて、目標の10lbまであと1lb。

今シーズン中にキャッチできるのか?


まだまだチャレンジは続きます。


Tight Lines!
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