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SWEET GREEN LAND

A blog of Japanese fly fisherman living in Otago, New Zealand

The longest and the most exciting fight ever!

明けて月曜日は予報どおり素晴らしくいい天気に。

先週末2日間に昨日と、ほとんど太陽を拝めなかった後なので気分爽快だ~。

釣行プランは最近の行動パターンと同じく、Dunedinから北に向かってまず手前のサイトフィッシングリバーから。そこから先のもう1本の川に行くかどうかは状況次第。

スタートフィッシングは10時半頃で快晴、無風のコンディション。

この川はホームリバーに比べると魚のアベレージが大きいので6wtのロッドを使うことが多いんですが、今日は前日と同様、午後の遅い時間にドライフライの釣りになる展開もありえるので5wtのScott G2を用意した。

今日は上の橋からエントリー。すぐ上のプールには、いつものようにまあまあいいサイズのブラウンがクルーズしているが、まだライズはしていない。

ドライとドライ&ニンフの両方を試したが全く反応しない。

まあいい。この魚たちは午後にライズし始めたらドライで狙おう。

あまり時間を掛けずに、次の1つ上のプールへ。

次のプールはデカイやつがクルーズしていることの多い、川幅も広く、完全にフラットな水面の大規模プールで、接近するのがとても難しい。

先週もいいのが1匹居たけど、釣ることが出来なかった。

かなり遠くから木や草に隠れて様子を伺う。


いるいる、またいるよ~ デカイのが。。


でかいのが1匹、かなり手前のウィードパッチのところに出てきているけど、今はこっちを向いているから動けない。

ヤツがUターンして、対岸向きになるのを待たなくては。。

しばらく待って、やつが向きを変えて対岸のほうへ向かって泳ぎだした隙に、一気にサササッと水辺の背の低い木を目指して前進。上手く木の後ろに隠れた。

よし、これでキャスティングポジションは確保した。

もうなんかの戦闘ゲームみたいです(笑)

でもこれは仮想じゃない、リアルなゲーム。

ここからアプローチすれば、自分の頭は木の上に出てしまうけど、水辺に2本足で立ってしまうよりは遥かにいいのだ。

ライズはしていないのでフライはドライ&ドロッパーニンフのままでいいけど、さっきのプールとは深さが違う。理想はニンフがボトムより少し上で中吊りになるようにしたいので1m強だったドロッパーを70cm程度に詰めた。


このプールは浅く、広くて、手前にウィードベッドがあるものの、クルーズのパターンにもあまり法則性がない。ロングキャストが求められる上に、バックのバンクが高くて草も多いとアングラーにとってはかなり難易度が高い場所。

魚に気配を感じ取られると、対岸の岩盤の深みに姿を消してしまうというパターン。

タイミングを見計らって、まずはウィードパッチ沿いに下流(画像右)に向かってクルーズしていくのに合わせてファーストキャスト。

ヤツは明らかにフライを発見して、ゆっくりと近づいていったが、ドライフライの下で「フンッ」っと止めた。


クッソォオオーーーー

今いったのに~~~

賢いなぁ~、ヤツは。。


しばらくすると、対岸の岩盤からもう2匹、一回り小さい別の魚が出てきた。

そのうちの1匹にもフライを見せてみる。

しかしそっちも食いません。

風も全くないし、見やすいけど難しいコンディションだ。

次にヤツがもう一度手前に出てきた時に再びキャスト。


今度はどうだ??


ヤツは一瞬足を止めた(魚なので足はありませんが)が、さっきより遠めで見切られた。


んんん~~、ダメか~~??


いつの間にか、さらにもう1匹魚が増えて、ヤツのほかに3匹、プール内はヤツを含めて4匹になった。

比較的ゆっくりクルーズしているのはヤツだけで、他の3匹はかなり速めに動き回っていて、あまり釣れそうにない感じ。

次がサードキャストになる。

今度は逆にヤツが画像左に向かっていくのを待ちぶせる形で、先にフライをプレゼンテーション。

ウィードパッチ沿いに上がっていって、右にターンした時にそこにフライがあるという形に。

ヤツはこっちの思惑通りのコースを取って、フライを見つけたようで一瞬スローダウン。

でもまた見切って、止めるようなそぶりを見せたが、その時に対岸の岩盤の方から別のブラウンが1匹ゆっくりフライに近寄ってきた。

自分から見て、フライのすぐ手前にヤツが対岸向きに停止、もう1匹がフライの先、少し右よりから遠巻きに迫ってくる形で、一瞬2匹のブラウンが交錯した。


おおっ!??


すると次の瞬間、ヤツがドンッと何かに押されるように前進したかと思うと、ドライが勢いよくピクッと沈んだ。

思わず反射的に鋭くフッキングを入れた!

川の釣りにしては遠めの距離で、12-13m程度離れていたが、一気にヤツの重量感がズシッとバットまで乗ってきてフックアップ!!

むこう向きでフックアップしたヤツは、いきなり対岸に向かって突進してジャーーンプ!


Wowwww, デカーーーーイ!!!


水面上に全身を現したヤツは、水中で見ていた以上にデカイ!

これは大変だ!! 絶対にランディングしなくては。。

その後も2回ジャンプ。ヤツの巨体がドボーンと着水するたびにすごい水飛沫が上がるけど、他のブラウンは逃げるどころか近寄ってくる。

2週間前にこの川で釣った8lbもでかかったけど、コイツのパワーは桁違いにもっとスゴイ!

こんなにでかいのにジャンプも躍動感たっぷりだし、なんだかパワーがみなぎっている。


少し落ち着いたけど、これはまだまだ寄ってこないな、これは。。
この画像の撮影時間がAM11:30.

 
この距離でこれだけはっきり写っている魚影はかなりデカイ。この後、このプールの上の川幅が細くなるセクションまで40-50mくらいバァーっと走られて、こっちも走って追跡。

そっちで取り込めばいいと思ったら、またこのプールまで下られて戻ってきた。


がんばれー、オレのG2。。今2本折れて修理中だからキミまで逝かれると困るのよ~

このプールより下にも走られ、まだジャンプもして、対岸に渡ってやりあったけど、それでもギブアップせずに最後は元の場所で勝負を掛けることにした。

こっち岸の方が緩やかな駆け上がりだから安全だろう。


AM11:52、ついにヤツをネットイン! 9lbです!! 

初めの画像を撮ってから実に22分。いったいどれぐらいの間やりあっていたんだ?

ファイト序盤のジャンプとダッシュの連続の段階では写真なんか撮る余裕はなかったので、少なくとも10分くらいは経過してから撮ったと思います。トータル30分強くらいのファイトだったんだろうか?

超エキサイティングで長ーーい、長ーーーいファイトでした。

ティペットが切れる不安は全くなかったけど、身切れでフックアウトとロッドが折れないかというのが心配だった。


ちなみに長さは73cm。先々週釣った8lb、72cmを上回った。

これが自分のブラウントラウトのレコードフィッシュです。

今までは、2年ほど前に北島のレイクでSAGE ONEダブルハンダーに入魂した時に釣った73cm、8lbが最大だったんですが、ようやくウエイトで1lb超えて9lbまでいった。

とりあえず現時点での自己レコードのブラウンなので、記念に写真いっぱい撮りました。


  

 

この魚は完全にシーランナーのジャックですね。

シルバーの鱗に、青味がかったグレーの頭~背の色、ブラウンにしては尖った尾ビレ。あとこのスレンダーなボディのシェイプですね。


めっちゃカッコイイ魚です。

やっぱり遡上魚は引く、パワーが違う。

今日のタックルは自分のスタンダードな5wtのセッティングで、

ROD : Scott G2 905/4
REEL : Shimano Freestone XT-LA 5/6
LINE : Rio Gold WF5F(Moss/Gold)
LEADER : Varivas Standard 3X 12ft
DROPPER : Sunline Tornado SV-I 1.25号
FLY : Dry       Parachute Adams (TMC9300 #12)
         Nymph  Stick Caddis (TMC2457 #12)

ドライフライはテーパードリーダーに直結。

これがすべてです。ダブルハンダーが流行りの昨今のフライフィッシングシーンにあっては、トラウトフィッシングの王道的なもので、NZ的なのはMossという地味なフライラインの色とドライ&ドロッパーニンフという釣り方。あとフックがTMC100ではなく、9300、TMC2487ではなく、2457なことでしょうか。

このセッティングでこのクラスの魚と渡り合うのは、本当に限界といった感じのギリギリの攻防になります。


これがドロッパーに使っているサンラインのSV-Iというフロロのハリス。

昨年、フロロのティペット(ハリス)をいろいろと物色している時にこのハリスに興味を持って、高校の時の友人にサンラインのサポートを受けているバスプロがいるので、頼んで送ってもらいました。

マジカルピンクカラーという特許を取っている特殊なカラーを採用していて、これをNZのジンクリアーな川のサイトフィッシングで使ったらどうなんだろうと思ったわけですね。

今シーズン、6-9lbクラスのビッグブラウンをすでに10本ほどランディングしましたが、すべてこのハリスの1.25号で捕っています。去年の3月くらいから試しているので、昨シーズン釣ったのも合わせたら、もうかなりの数になりますね。
魚を掛けて、切れたことはまだ一度もありません。この魚から見えにくいマジカルピンクカラーのおかげで1ランク太いラインを使えるという触れ込みだったので、1.5号も送ってもらったんですが、1.25号で十分強いので、1.5号はまだ試してないですね。
まあ、強度が十分で問題ないのは当たり前として、問題のこのピンクのカラーの効果の方はというと、正直なところこれを判断するのは非常に難しいですね。

例えば今日のレコードフィッシュを釣った状況でも、見切られた1-2投目は普通のクリアーなフロロで、フライは同じままで、ドロッパーをこれに変えたら3投目で食ったとかであればこのピンクのカラーのおかげといえるかもしれませんが、普段のプライベートの釣りでそこまではやりませんからね。

ただ今日のポイントは、自分が釣りをするいくつかの川の数あるポイントの中でも、水の透明度は高く、総合的な難易度は特A級の場所であり、そこに居た一番デカイのをこのハリスで仕留めたのは事実です。すでに数多くのいい魚を捕っているので信頼性はとても高く、使っていて全く不安はないし、ピンクのカラーをマイナスに感じることもないです。
結論を出すにはさらなる釣りこみが必要だと思われますが、あとはこのカラーがどの程度プラスに働いているのか、いないのか、そこだけですね。

ちょっと長くなってしまったので、この日の釣行の続きはまた次回に。


Tight Lines!!
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